横浜・関内。離婚・相続・交通事故・債務整理の相談。神奈川県弁護士会所属・山本安志法律事務所(弁護士3名)。土曜・夜間も相談可。
離婚・相続・交通・債務整理の相談。神奈川県弁護士会所属 山本安志法律事務所

法律相談会員募集(有料)電話相談(無料)小冊子送付希望交通アクセスお問い合せサイトマップ

借地・借家に関するQ&A

Q:借主が家賃(または地代)を6ヶ月も滞納しています。どうしたらいいですか。
A:まず、借家人と@延滞賃料を分割で支払ってもらうか、A期限を区切って出て行ってもらうか、よく話し合いをしてください。いずれの話し合いもできないときは、契約を解除して、賃料支払いと明渡を求める訴訟を提起することになります。訴訟において、支払方法や明渡方法について和解をすることもありますが、判決となった場合には、明渡しの強制執行をする必要があり、多額の費用がかかることもあります。
Q:家賃(または地代)の滞納が2ヶ月であっても、契約の解除ができますか。
A:貸主借主との間で信頼関係が破壊されたと評価できるかどうかです。借家人に賃料支払いの意思と能力が継続していると認められる場合には、1〜2ヶ月の賃料の延滞では解除が認められないケースもあります。契約書にその旨の記載がある場合も同様です。土地の賃貸借において、賃借人が約17か月分の賃料の支払を怠ったが、賃貸人・賃借人の間には50年以上も賃貸借が継続し、賃料の支払も約定は月払いであったが、年払の慣行があり、この支払の遅滞も5ヶ月に過ぎないとも言えること、支払の遅滞は子どもが重病であったという事情から、解除を否定した判例があります(東京地判平成元/12/27)。
Q:借主に賃料不払いなどの債務不履行がある場合の、契約解除の手続きを教えてください。
A:原則として、相当期間を定めて催告した上で解除をする必要があります(民法541条)。具体的には、内容証明郵便で、通知到達から数週間以内に未払い賃料を支払うよう催告するとともに、その支払いがない場合は契約を解除すると通知します。
Q:賃料を減額してもらいたいと考えています。どうしたらいいですか。
A:話し合いで解決できない場合は、まず簡易裁判所に調停を申し立ててください。調停でもまとまらない場合は、訴訟をすることになります。調停または訴訟で賃料が決まるまでの間も、賃料を支払わなければ債務不履行で契約を解除されてしまいますので、賃料を支払う必要があります。貸主が賃料を受領してくれない場合は、賃料を供託してください。
Q:賃貸借契約の更新に際し、地主(または家主)から更新料の支払いを求められています。支払わなければいけませんか。もし支払う場合には、更新料の相場はどのくらいですか。
A:約定がなければ、更新料請求に法的根拠はありません。ただ、将来の建て替えやこれまでの信頼関係維持のために任意に支払うことも多いでしょう。地価の下落によってその負担も軽減されてきています。よく話し合いをし、話し合いで解決できないときは、簡易裁判所に調停を申し立てるのも一方法です。更新料の支払いをしなくてはならないときも、その金額はケースバイケースですが、借地の場合は更地価格の数パーセント、借家の場合は賃料の1〜3ヶ月程度の場合が多いようです。
Q:アパートが老朽化したので、この機会に息子の家に建替えをしたいので、借家人に明渡してもらいたいのですが。
A:契約期間が満了していない場合は、基本的には、話し合いにより(立退き料を支払うなどして)、借家人に任意に明渡してもらうほかありません。期間満了が迫っている場合でも、契約更新を拒絶するには正当事由が必要です。正当事由として、主に借主貸主双方の建物の必要性、建物の現況(老朽化)、立退き料の申出等の事情が要素とされています。ですから、本件についても、老朽化や必要性の程度によっては正当事由が認められ、契約更新を拒絶して明渡しを求めることができます。
Q:借家人に支払う立退料はいくらくらいが妥当ですか。
A:上記の答えのとおり、あらゆる事情を考慮されることになるので、ケースバイケースです。アパートに住む学生など短期的居住者であれば、同程度の建物に転居するのに必要な費用(引越費用、仲介手数料、敷金)くらいは考えておきましょう。しかし、会社が営業用として賃借している場合には、営業補償の要素も加わりますので、数百万、場合によっては数千万円の立退料が必要となることがあります。都市の老朽化した7階建てビルの賃貸借契約の更新拒絶につき、現に寿司店としての営業に不可欠であるとの賃借人側の使用の必要性は、本件建物を取り壊し新本社ビルを建てるなどの賃貸人側の使用の必要性に明らかに優越するものであり、正当事由があるとは言えず、賃貸人の提供する2000万円程度の立退き料を考慮しても、正当事由を具備するものとはいえないとされた事例があります(東京地判平成12/4/26)。
Q:賃借していたマンションを明渡したところ、家主から、畳替えや襖替え等のリフォーム代を請求されています。支払う必要があるのですか。
A:通常の使用によって汚れたものに対しては、原則として支払う必要はありません。リフォーム代を理由に敷金の返還を拒まれた場合には、簡易裁判所で少額訴訟手続をとることを勧めます。もっとも、壁に穴をあけてしまったとか、落書きをしてしまったような場合には、支払い義務が生じます。ただ、特約がある場合に支払義務を認められた判例がありますので、注意が必要です。
Q:アパートの一室を貸しているのですが、あと1年で期間が満了するので、明渡してほしいと考えています。どうしたらいいですか。
A:期間満了の1年前から6ヶ月前の間に更新をしない旨の通知を借主に出す必要があります。この通知を出さずに使用が継続されれば、契約は当然に法定更新されることになります(借地借家法26条)。この更新拒絶の通知には、借地契約と同様に正当事由が必要です(同法28条)。
Q:借家契約の期間が満了したのですが、そのまま使用を継続しており、貸主からも何も言われていません。このまま使用を継続していいのでしょうか。
A:借家契約は法定更新されていますから、そのまま使用を継続してかまいません(借地借家法26条)。この場合、契約の条件は従前の契約と同一となります。ただし、期限の定めのない契約となります。更新料の約定がある場合は、更新料を支払う必要があります。約定がない場合の更新料の要否について、判例はわかれています。
Q:アパートの家主が賃貸借契約期間中に、別の人に替わりました。契約終了時の敷金の返還は、誰に請求したらいいのですか。
A:新家主です。敷金に関する法律関係も賃貸借契約に付随するものですので、敷金に関する権利義務も、当然に新賃貸人に承継されます。
Q:借家契約において、その期間に法律上制約はありますか。
A:貸主借主間で合意した期間が有効ですが、最長期間は20年とされています(民法604条)。しかし、1年未満の期間を定めた場合は、期限の定めのない借家契約とされます(借地借家法29条)。
Q:定期借家権について、教えてください。
A:定期借家契約は、一定の期間を定め、更新がないことの特約をし、公正証書による等書面で行うことが必要であり、契約前に賃貸人が賃借人に定期借家権であることを記載した書面を交付して説明しなければなりません。そして、期間満了で契約を終了させるためには、期間が満了する1年前から6ヶ月前までの間に賃貸借契約が終了する旨の通知をしなければ賃貸借契約の終了を賃借人に対抗できません(借地借家法38条)。
Q:建物所有を目的とした借地契約において、その期間に法律上制約はありますか。
A:平成4年8月1日以降に成立した借地契約については、借地借家法で30年以上とされています(法3条)。それより前の借地契約については、建物が堅固建物の場合は原則として60年、非堅固建物の場合は原則として30年とされています(旧借地法2条)。 なお、通常の木造家屋は、非堅固建物とされています。
Q:借地契約を更新したいと考えているのですが、更新期間に法律上制約はありますか。
A:最短期間が法定されています。堅固建物は30年、非堅固建物は20年とされています(旧借地法5条)。平成4年8月以降に成立した借地契約については、最初の更新期間は20年、2度目以降は10年とされています(借地借家法4条)。
Q:借地契約の期間が満了したのですが、そのまま使用を継続しており、貸主からも何も言われていません。このまま使用を継続していいのでしょうか。
A:借地契約は法定更新されていますから、そのまま使用を継続してかまいません(借地借家法5条2項)。この場合、契約の条件は従前の契約と同一となります。ただし、更新期間は前問のとおりです。
Q:借地上の建物が火事で焼失してしまいました。建物を再築したいのですが、借地契約期間満了まであと10年です。どうしたらいいですか。
A:地主の承諾が得られる場合は、借地権は承諾の日または建物が建てられた日の早い日から20年間存続します(借地借家法7条)。地主が承諾しない場合は、当初の契約の残存期間、あなたの場合はあと10年で契約期間が満了となります。しかし、期間満了時の更新拒絶には正当事由が必要ですので、契約を更新できる可能性があります。また、地主に正当事由があり、更新拒絶が認められた場合にも、あなたは再築した建物を地主に買い取るよう請求することができます(借地借家法13条)。ただし、建物が滅失したのが契約更新後であった場合は、地主に無断で建物を再築すると地主から借地契約を解約されてしまう可能性があります(借地借家法8条)。更新後の建物再築にやむをえない事情があるのに地主が承諾しないという場合には、借地人は裁判所に地主の承諾に代わる許可を求めることができます(借地借家法18条)。
Q:借地上の建物を売却したいのですが、地主が借地権の譲渡を承諾してくれません。どうしたらいいですか。
A:借地上の建物を譲渡すると、借地権も譲渡されることになりますので、借地権の譲渡に対する地主の承諾が必要になります。地主に不利になる恐れがないのに、地主が承諾しない場合には、地主の承諾に代わる許可を裁判所に求めることができます。この許可にあたり、名義書換料の支払いを求められることがあります(借地借家法19条)。名義書換料の算定基準もケースバイケースですが、借地権価格の5%から15%くらいといわれています。なお、借家権の譲渡にはこのような制度はありません。
Q:借地権を譲渡しようと考えているのですが、適正な借地権価格はどのように算出したらいいのですか。
A:借地権価格の評価方法としては、差額地代還元法、取引事例比較法、割合方式などがありますが、割合方式であれば、更地価格と借地権割合がわかれば借地権価格を簡単に算出することができます。更地価格は、路線価、公示価格等を参考にしてみてください。借地権割合は、路線価図に示された借地権割合が参考になります。路線価図は、税務署に備え付けてあります。
Q:借地上の建物を増改築したいのですが、地主が承諾してくれません。どうしたらいいですか。
A:増改築が土地の通常の利用として相当であるときは、裁判所に地主の承諾に代わる許可を求めることができます(借地借家法17条)。このとき、地主に支払う承諾料も裁判所が決定します。承諾料は、全面改築に至らないときは、更地価格の1%から3%くらいが多いようです。
Q:定期借地権について、教えてください。
A:定期借地権には、@一般定期借地権、A建物譲渡特約付借地権、B事業用借地権があります。@一般定期借地権とは、存続期間50年以上の借地権につき、更新がなく、建物再築による期間の更新もなく、建物買取請求をしない定めを、公正証書による書面等でおこなって設定する借地権です。A建物譲渡特約付借地権とは、借地権設定後30年以上経過した時点で、建物を相当の対価で地主に譲渡するとの特約を付した借地権で、建物が譲渡された時点で借地権は消滅することになります。B事業用借地権とは、もっぱら事業用の建物を建てる目的で、10年から20年の期間で、公正証書を作成して設定する借地権です。