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離婚に関するQ&A

Q:夫が勝手に離婚届を提出してしまいました。離婚の無効を主張するにはどうしたらよいですか。
A:まず、家庭裁判所に離婚無効確認を求める調停を申し立てます。事実に争いがなく、調停において離婚無効の審判を受けることについて合意が成立すれば、審判に移行し、離婚無効が確認されますが、事実に争いがあったり、審判を受けることについての合意が成立しない場合などは、地方裁判所に離婚無効確認の訴えを提起することになります。
Q:私は離婚するつもりはないのですが、勝手に離婚届を出されそうです。どうしたらよいですか。
A:本籍地の市町村長に対して「不受理申出」を提出しておくとよいでしょう。不受理の扱いをするのは、申し出を受けた日から6か月を超えない範囲で申し出人が定めた期間です。
Q:離婚原因にはどのようなものがありますか。
A:民法上定められているのは、@不貞行為、A悪意の遺棄、B3年以上の生死不明、C精神病、Dその他婚姻を継続しがたい重大な事由の5つです。Dその他婚姻を継続しがたい重大な事由には、暴行、虐待、勤労意識の欠如、浪費、愛情の喪失、肉体的欠陥、性的異常、性格の不一致などが含まれますが、これらの事由によって離婚が認められるかはケースバイケースです。
Q:夫が、会社の同僚の女性と性的関係を結びました。離婚したいのですが、認められますか。
A:認められるでしょう。民法で定められている離婚原因のうち、不貞行為にあたると考えられます。不貞行為とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます。この場合、相手方の自由な意思に基づくものであるか否かは問いません。
Q:私は、3歳と5歳の子供をもつ専業主婦です。夫が、家を出て行ってしまい、生活費も入れてくれません。このような夫との離婚は認められますか。
A:認められるでしょう。民法で定められている離婚原因のうち、悪意の遺棄にあたると考えられます。悪意の遺棄とは、不当な同居義務違反、協力義務違反、扶助義務違反などをいいます。正当な別居でも生活費を送らなければ遺棄とみられることが多く、生活費を送っていても正当な理由なく別居していれば遺棄にあたります。
Q:夫は普段優しいのですが、お酒を飲むと大声をあげ、暴力をふるうこともあります。子どもへの影響もあり、離婚を考えているのですが、離婚は認められますか。
A:認められるでしょう。民法上、定められている離婚原因のうち、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたると考えられます。粗暴な性格や酒乱などに起因する暴行や執拗に繰り返される暴行はそれ自体で婚姻を継続し難い重大な事由にあたります。ただし、一過性の暴行の場合には、その原因が考慮され、その暴行の原因が妻にあるような場合には、離婚が認められないこともあります。病院に行ったのであれば、診断書をもらっておくと良いでしょう。病院に行かなかった場合にも写真をとるなどして、暴行の証拠を残しておきましょう。
Q:私はどちらかというと几帳面で清潔好きな方なのですが、妻は家事などにルーズで、いさかいが絶えません。離婚したいのですが、認められるでしょうか。
A:夫婦間で生活観、人生観が異なる場合(いわゆる性格の不一致)、離婚が認められるかはケースバイケースです。その性格の不一致によって婚姻が破綻しているといえるか、円満な夫婦関係の回復が期待できるのではないか、どちらに責任があるのか、離婚によって一方の生活が困窮するか否かなどさまざまなことを考慮して判断されているので、一概にはいえませんが、性格の不一致を理由として離婚を認めた判例もあります。
Q:夫の浮気がわかり、夫を問いつめたところ、夫は家を出てしまい、離婚をすると言い出しました。夫からの離婚が認められてしまうのでしょうか。
A:原則として認められません。婚姻を破綻させた原因を作った者(有責配偶者)からの離婚請求は認められないと考えられているからです。しかしがら、@夫婦の別居が長期間にわたっていること、A夫婦の間に未成熟の子(高校を卒業するまでに至っていない子)がいないこと、B相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれないことを条件として、有責配偶者からの離婚請求を認容した判決があり、長期間別居した後であれば、認められる場合もあります。
Q:数年前から夫婦関係が冷え切っていたのですが、今度、好きな女性ができて、彼女との同棲を始めました。彼女と結婚したいので、妻と離婚したいのですが、離婚は認められますか。
A:原則として、婚姻を破綻させた原因を作った者(有責配偶者)からの離婚請求は認められないとされています。もっとも、婚姻関係が完全に破綻した後に不貞行為をしたような場合には、破綻の原因を作ったわけではないので、離婚請求を排斥する理由がないとして、離婚が認められることもあります。
Q:夫の浮気が原因で離婚することになりました。夫からは慰謝料をもらったのですが、浮気相手からも慰謝料をもらいたいと思います。できますか。
A:慰謝料請求が認められない場合もあります。法律上は、夫と浮気相手が共同してあなたに損害を与えたとして、共同不法行為が成立すると考えます。したがって、夫と浮気相手に対し、あなたは損害賠償(慰謝料)を請求することができます。ただ、この場合の損害賠償義務は、夫と浮気相手が共同して負担することになるので、一方が全額を支払えば、あなたは他方に請求することはできなくなります。例えば、浮気によって被ったあなたの精神的苦痛対する慰謝料が300万円と認定されたとすると、夫が300万円以上の慰謝料をあなたに支払った場合には、あなたは浮気相手にこれ以上請求することはできず、後は夫と浮気相手の間で、その責任に応じて、内部的に負担額を分担するということになるわけです。あなたが夫から十分な慰謝料を受け取っていない場合には、浮気相手に対し、慰謝料を請求することもできますが、浮気相手が自己の地位や夫の弱点を利用するなどの悪質な手段に出ていない限り、浮気の主たる責任は夫にあり、浮気相手の責任は副次的なものと考えられるので、慰謝料請求が減額されることもあります。
Q:婚姻を破綻させた原因を作った者からの離婚請求が認められる場合は、どのような場合ですか。
A:有責配偶者からの離婚請求が認められることはまれです。判例によれば、@破綻の時期、破綻以降の和合の努力の程度、A不貞等有責行為の発生した時期の前後関係、B有責配偶者の責任の態様・程度、C相手方配偶者の婚姻継続についての意思、請求者に対する感情、D離婚を認めた場合の相手方配偶者の精神的・社会的・経済的状態、E当事者間の子、特に未成熟の子の監護・教育・福祉の状況、F別居後に形成された生活関係、特に実質的な夫婦関係を形成している場合、その相手方及びその子らの状況、G時の経過に伴う諸事情の変容、H社会的評価の変化及び時の経過がこれらの諸事情に与える影響などを考慮して判断されているようですが、有責配偶者からの離婚請求が認められることは難しいでしょう。
Q:以前、私が不貞行為をしたとき、夫は許してくれました。しばらくは通常の夫婦関係が続いていましたが、その後、はじめた事業がうまくいかなくなり、生活費を減らされ、夫が家に戻らないようになりました。離婚したいのですが、認められますか。
A:妻に不貞行為があっても、夫がこれを宥恕し、しばらく通常の夫婦関係が続いた後、婚姻関係が破綻した場合には、過去に不貞行為をしたとしてもその妻からの離婚請求が認められた判例もあります。具体的事情によりますが、離婚請求が認められる可能性はあります。
Q:離婚をしたいのですが、相手が協議に応じてくれません。どうしたらよいですか。
A:家庭裁判所に夫婦関係調整の調停を申し立てましょう。離婚については、相手方が生死不明、行方不明、心神喪失の状態にあるなど、調停に付すことが不適当な場合を除いて、調停を経ないで訴訟を提起すると家庭裁判所の調停に付されることになっています(調停前置主義)。
Q:離婚の調停ではどのようなことが決められますか。
A:離婚の成否のほか、親権者や財産分与、慰謝料、養育費などについても決められます。調停では、調停委員が両者の言い分を聞き、熱心に調停してくれますが、話し合いでは決着がつかない場合には、早期に裁判をした方がよいケースもあります。
Q:離婚の調停を申し立てたいのですが、どこの裁判所に行けばよいですか。
A:原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立をすることになります。申立書に申立の趣旨と実情を記載し、戸籍謄本を添付して申し立てます。
Q:調停を申し立ててから結論が出るまで、どのくらいの時間がかかりますか。
A:期間にして6か月、回数にして5回程度が平均的なところでしょうか。当事者間で争いが少なければ、早期に解決しますが、感情のもつれなどがあると長期化することもあります。
Q:相手が調停に出てこなかったらどうなりますか。
A:相手方が数回不出頭の場合には、家庭裁判所調査官に出頭勧告をしてもらいましょう。それでも出頭が見込めないときは、調停は不成立となって終了しますので、裁判を起こすことになります。
Q:調停によって離婚が成立しました。届出の必要はありますか。
A:申立人が、調停調書の謄本を添付して、調停成立の日から10日以内に市町村役場に届け出る必要があります。申立人が届出をしないときは、相手方が届出をすることができます。
Q:離婚の調停が成立しなかった場合には、どうなりますか。
A:地方裁判所に離婚の裁判を申し立てることになります。管轄裁判所に調停不成立証明書、甲号証として戸籍謄本、住民票などを添付して、訴状を提出して訴えを提起します。
Q:裁判離婚の管轄裁判所はどのように決められますか。
A:@夫婦の共通の住所地、A夫婦の最後の共通の住所地で、夫婦の一方の住所がある場合にはその住所地、B夫婦どちらかの住所地、C日本に住所がないとき又は住所、居所が知れないときは最後の日本の住所、という順番で管轄裁判所が決まります。それでも決まらないときはD東京地方裁判所が管轄裁判所となります。
Q:夫が行方不明なのですが、その場合でも離婚ができますか。
A:相手方が行方不明の場合には、調停を経ないで裁判を起こすことができます。相手方が欠席しただけでは判決はされませんが、簡単な原告尋問を行って、早期に判決を得ることができます。
Q:判決が出るまでにはどれくらいかかりますか。
A:事案にもよりますが、一般的には1審判決が出るまで1年くらいでしょう。当事者間の感情のもつれから長期化することもあります。
Q:裁判になると判決でしか決着がつきませんか。
A:裁判になっても、裁判上の和解で解決することも多いです。法律上、和解離婚というものは認められていないので、この場合には、協議離婚となります。和解調書に協議離婚する旨と財産給付等の条項が定められます。
Q:裁判離婚の場合にも届出が必要ですか。
A:調停離婚の場合と同様、届出が必要です。判決書の謄本と判決が確定したことを証明する確定証明書を添付して市町村役場に届け出ることになります。
Q:離婚した場合、名前を変えなければなりませんか。
A:婚姻によって氏を変更した配偶者(甲野花子さんが乙川さんと結婚して乙川花子さんになった場合)は、離婚に際し、婚姻前の氏(甲野)又は離婚の際に称していた氏(乙川)のどちらでも称することができます。ただし、離婚の際に称していた氏を称する場合には、離婚の日から3か月以内に届け出なければなりません。
Q:夫と離婚することに合意しましたが、親権者をどちらにするか話し合いがまとまりません。どうしたらよいですか。
A:協議離婚の場合には、離婚届と同時に親権者を指定しますが、親権者を指定する協議が夫婦間で整わない場合や協議ができない場合には、家庭裁判所に対して協議に代わる審判又は調停を申し立てることができます。もっとも、離婚とともに訴訟で決せられることが多いようです。
Q:判決において親権者を指定する場合の判断基準を教えてください。
A:@父母の健康、精神状態、生活態度、経済状態(資産、収入)、家庭環境、住居、教育環境、A父母の子に対する愛情の度合い、B監護補助者の有無、補助の程度・方法、C父母の再婚の可能性、離婚の有責性、D子の年齢と意思などを総合的に考慮して判断されているようです。
Q:子どもがまだ小さいので、働くことができません。夫と離婚する場合、収入がなければ、親権者となることはできませんか。
A:収入がないというだけで、親権者となれないわけではありません。経済状態も重要な要素ですが、子に対する愛情、子どもの年齢、これまでの養育状況、子どもを養育するにあたって、周囲に協力してくれる人がいるかなど、さまざまな要素を考慮して判断されるので、生活力がないからといって直ちに親権者となることが否定されるわけではありません。
Q:親権者を変更することはできますか。
A:できます。当事者の協議や戸籍の届出だけではできないので家事審判手続による必要があります。子の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることになります。親権者の養育監護の現状に問題があると、親権者の変更が認められることもありますが、養育の現状に特に問題がない場合には、親権者の変更は認められにくいといえます。
Q:私たち夫婦は、離婚を前提として別居しています。妻の元で生活している子どもと会いたいのですが、妻が会わせてくれません。法的手続をとることはできますか。
A:家庭裁判所に子の監護に関する処分(面接交渉)の調停の申立をすることができます。この調停では、回数(例えば、月1回)、方法などについて面接のルールが決められます。
Q:子供の養育費はどのくらいもらえますか。
A:養育費とは、未成熟子が独立の社会人として成長自立するまでに要する全ての費用をいいます。養育費は、まず子の生活費を認定し、両親の収入の額などを勘案して分担額を決めるので、一概に決めることはできません。調停で決められた養育費の月額は、子どもが小さい場合には2万円から4万円程度が多いですが、高校生など年長者の場合には6、7万円になることもあります。
Q:養育費を増額したり、減額したりすることはできますか。
A:支払う側または請求する側に養育費を取り決めたときと事情が変化した場合には、養育費の増減額請求ができます。事情の変化の具体例としては、父又は母の再婚や父母双方の職業、社会的地位の変化による収入支出の増減、父母の病気、当事者を取り巻く社会的状況の変動などがあります。
Q:離婚調停の際に決めた養育費を夫が支払ってくれません。どうしたらよいですか。
A:家庭裁判所に申し出て履行勧告をしてもらう、強制執行手続きをとるなどの方法があります。将来的には、支払い義務者の給料から天引きされるようにする方法がとれないか、検討されています。
Q:夫が離婚したいと言って家を出てしまいました。生活費も入れてくれません。どうしたらよいですか。
A:家庭裁判所に婚姻費用分担の調停を申し立てましょう。婚姻費用とは、夫婦の共同生活において、財産、収入、社会的地位等に応じた通常の生活を維持するために必要な生計費をいい、衣食住の費用をはじめ、医療費、養育費などが含まれます。別居し、離婚訴訟・離婚調停が係属している場合でも、離婚解消に至るまでは、婚姻費用の分担を請求することができます。
Q:離婚する場合、どのような財産が財産分与の対象となりますか。
A:特有財産は、原則として財産分与の対象となりませんが、共有財産及び実質的共有財産は財産分与の対象となります。特有財産とは、名実ともに夫婦それぞれの財産のことで、婚姻前から各自が所有していたものや婚姻中に一方が相続した財産などがこれにあたります。共有財産とは名実ともに夫婦の共有に属するもので、夫婦が合意の上で共有とし、共有名義で取得した財産や婚姻中に共同生活に必要なものとして取得した家財・家具などがこれにあたります。実質的共有財産とは、名義は夫婦の一方に属するが、実質的には夫婦の共有財産に属するものをいい、不動産、自家用車、預貯金など夫婦の一方の名義になっていても、婚姻中に夫婦が協力して取得したものについては、財産分与の対象となります。
Q:退職金は、財産分与の対象になりますか。
A:すでに、受領したもの、支給が決定したものは財産分与の対象となります。将来支給される退職金については、将来の退職時期や死亡といった不確定な要素によって左右されるため、問題となりますが、将来支給される退職金を財産分与の決定に際して考慮する判例がおおくなってきました。なお、年金については、現状では財産分与の対象にはなりませんが、法改正が検討されているようです。
Q:私の浮気が原因で妻と離婚することになりました。めぼしい財産としてはローン付の不動産しかありません。どのように財産分与したら良いですか。
A:実務上は、ローンの残額を不動産の時価から差し引いたものを当該不動産の価値として、清算する方法がよく行われています。ローンの残債務について、妻に引き継がせる場合には、ローン条項に金融機関の予めの承諾を必要とする規定がないかを確認し、予めの承諾が必要である場合には、金融機関に相談される必要があります。
Q:協議離婚が成立し、離婚届を提出しました。今から財産分与の請求はできますか。
A:財産分与の請求は、離婚のときから2年以内です。相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所に調停を申し立てるか、相手方の住所地の家庭裁判所に審判を申し立てるか、いずれかの方法をとることになります。
Q:夫の不貞行為で離婚することになりました。財産分与として相当の財産はもらいましたが、さらに慰謝料を請求することはできますか。
A:財産分与の制度は、夫婦の共同財産を清算し、離婚後における一方当事者の生計の維持を図ることを目的とするものであるので、離婚による慰謝料とは性質を異にします。したがって、財産分与がなされたからといって慰謝料を別途請求することは妨げられません。しかし、財産分与には、慰謝料を含めて定めることもできるので、財産分与によって、請求者の精神的苦痛が全て慰謝されたと認められる場合には、重ねて慰謝料を請求することはできませんが、財産分与がなされても、それが離婚による慰謝料を含めた趣旨とは解されない場合や精神的苦痛を慰謝するには足りないと認められる場合には、改めて慰謝料請求をすることができます。
Q:婚約を解消されました。相手方に損害賠償請求をすることができますか。
A:嫁入り道具の返還や結納の返還を求めることはできますが、婚約破棄の理由が相性が悪い、年回りが悪い、家風が合わないなどにある不当な婚約解消の場合でない限り、損害賠償請求は認められません。
Q:婚約を解消するにあたって正当な理由が認められるのは、どのような場合ですか。
A:判例上、相手方が第三者と情交を結んだ場合や第三者と事実上婚姻した場合、相手方の性的異常、肉体関係を強要された場合などがあります。逆に正当理由が認められなかった場合としては、親の反対、性格の不一致、相手方の父親の前科の発覚、信仰の相違などがあります。

<参考>